【FTM】性別違和の診断テストに当事者が答えた※自分で判断するためのものではありません

性のお話

Googole先生の検索バーで「FTM」と入れると、候補の上のほうに「FTM 診断」「FTM 診断テスト」といった組み合わせが出てくる。

これは単に診断テストの内容を知りたいのか、自分がFTM・MTFかどうか判断したいのか分からないけど
おそらく後者の人もけっこういるんじゃないかと思っている。

もちろん“診断”には医師による診察が必要で、サイトにある内容のみで断定はできない

※本記事内にある画像はイメージです※

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DSMの診断基準はこんな感じ

日本では、DSM(精神障害の診断と統計の手引き)やICD(国際疾病分類)に則って診断や治療がなされるらしい。間違ってたらゴメンナサイ。

そこで、具体的にどんな内容になっているのか調べてみた。医学の教科書「MSDマニュアル」の公式サイトにはこうある。

性別違和は年齢層によって現れ方が異なる。しかし,DSM-5の基準では,全年齢層での性別違和の診断について以下の両方の存在が必須とされている:

・6カ月以上にわたって認められる出生時の性と自らが感じる性同一性との著しい不一致(異性への同一化)
・この不一致により生じた臨床的に重大な苦痛または機能障害

引用元

FTMの場合、半年以上女性としての性別を嫌い、精神的にも苦しい思いをしている…といった感じだろうか。

さらに、小児・青年の2段階の年齢層に分けて診断基準となる項目が記載されている(これが検索される「診断テスト」の内容だと思う)。

・反対の性別(または他の何らかの性別)でありたいという強い欲求またはそうであるという強い主張

・反対の性別に典型的な衣服を着ることに対する強い嗜好と(女児では)典型的な女性的衣服を着ることへの抵抗

・遊びにおける異性の役割に対する強い嗜好

・反対の性別に典型的な玩具,ゲーム,活動に対する強い嗜好

・反対の性別の遊び相手に対する強い嗜好

・出生時の性と一致する性別に典型的な玩具,ゲーム,活動に対する強い拒絶

・自分の身体構造に対する強い嫌悪

・自分が感じている性同一性と一致する第一次および/または第二次性徴に対する強い欲求

引用元

上記は、小児の性別違和を診断するときの基準。8項目のうち6項目以上当てはまれば、性別違和である可能性があるということらしい。

次に、青年以上(成人含む)での診断基準は以下。

・自分の第一次および/または第二次性徴を取り除きたい(または青年期早期では,その発達を阻止したい)という強い欲求

・自分が感じている性別と一致する第一次および/または第二次性徴に対する強い欲求

・反対の性別(または他のなんらかの性別)になりたいという強い欲求

・別の性別のように扱われたいという強い欲求

・自分が別の性別に典型的な感情および反応を備えているという強い信念

成人における性別違和の診断では,著しい苦痛や社会的,職業的,その他重要な機能領域に明らかな問題が起きているかどうかの判断に焦点が置かれる。性別不適合のみでは診断を下すのに不十分である。

引用元

青年や成人では、上の5項目のうちひとつ以上の該当が診断基準となる。

また、成人の場合は性別の不適合のみで断定するのが不十分とあるので、仕事場での問題や社会での精神的苦痛も重要なポイントになるのかもしれない。

ただし、あくまでも可能性の問題で、これらすべてに該当したら絶対に性別違和と診断される!というわけではない。引用に偽りはないけど、ここで記載している内容は参考程度にとどめておいてほしい。

FTM当事者が診断項目に答えた(個人的に)

私はすでに性別違和(FTM)と診断されていて、男性ホルモンを定期的に注射したりおっぱいの切除手術をしたりしている。

現在は無事に男性としての生活を楽しんでいるのだけど、子どものときや診断をもらったときはどんな心情だったかなあ、と思い返してみた。

誰の役に立つのか分からない…というか役の立てようがないけど、いち当事者の実情としてここに置いておきたい。

※これは個人的な経験と記憶による記事なので、私以外の人テスト(性別違和の判断)に活用できるものではありません。

10~12歳くらいの心情を思い出しながら、小児のテスト項目を見る

厳密にいつから、と問われるとハッキリいえないけど、小学校高学年のころには「性同一性障害(当時の名称)かもしれないな」と思っていた。

そのときはまだ誰にも話していなかったけど、中学校に上がるまでくらいの自分を振り返りながら、小児での診断項目を見てみよう。

反対の性になりたい欲求・違う性であるという主張→あった

男の子になりたいなあ、という欲求は、10歳か11歳くらいのころには明確にあった。

ただ、「自分は男の子だ!」という感情ではなく、自分が女の子であると理解したうえで「男の子になりたい」という気持ち。

テレビなんかを見ていると、当事者が「大きくなったらおちんちんが生えてくると思っていた(FTM)」「おっぱいが大きくならないと聞いて絶望した(MTF)」みたいな話も聞く。

でも私におちんちんが生えないことは知っていたし、生理が来て当然であることも理解していた。

この2つにはけっこう大きな違いがあると思うけど、診断テストではひとつにまとめられている。

違う性になりたい・違う性である主張は、性別違和の診断という観点で考えると同じようなものなのかな。

反対の性の服を身に付けることを好み、同性の衣服を拒む→あった

小さいころは、いわゆる「女の子らしい」服装を好んでいたし、スカートも自分から望んで着ていた。

でも次第にカワイイ服装に嫌悪するようになり、ボーイッシュな服を好むように。

10歳くらいまではあいまいな服装だったけれど、11歳を過ぎるころには完全に「男の子用」のコーディネートに仕上がった

幸いだったのは、周囲から「女の子用にしなさい」と言われなかったこと。小学校でも「男みたいな女子」程度の扱いだった。

ただ、プールの時間は男の子用水着というわけにもいかないので、何かしら理由をつけて見学していたなあ。

遊びでは異性の役割をやりたがる→判断不可

これはおそらく、「女の子がおままごとで男の子役をやりたがる」といったことだと思う。つまり自分は異性であると主張するので、そうなることが自然だ、と。

私の場合、男の子になりたいと思い始めた年齢では、おままごとのような遊びをしていなかった。

ので、この項目は判断不可としておこう…。

異性の典型的なゲーム・活動などを好む→難しい

これはたとえば(FTMの場合)、お人形遊びよりもサッカーが好き、とかそんな感じ。

仮面ライダーが男の子、プリキュアが女の子というイメージがあるもの(例)に対して、男の子が好むものに興味を示す…って解釈でいいと思う。

うーん、これはどうだろう。10~12歳のころって、外でも遊んでたけど
PCのタイピングにハマってずっとやってたんだよなあ。。。笑

しかも性自認が男の子でもプリキュアが好きな子とか、その逆とかわりと存在するので
この診断項目はなかなか判断が難しいように感じる。

余談だけど、私の姉は小さいころ、プリキュアじゃなくて仮面ライダーにぞっこんだった。
ピンクよりも青色が好きだったし、髪の毛も短くしていた。
でも男の子になったのは、当時ピンクが好きだった私。人間どうなるかわかんねえです。

異性と遊びたい→男女とも遊んでいたけど…

小さいころは性別関係なく遊ぶけど、ある程度大きくなると女の子同士・男の子同士で遊ぶようになる…という流れが一般的だと思う。

性別違和の場合は、この”同性と遊ぶようになるタイミング”以降でも、(FTMなら)男の子と遊びたい、といった感じかな。

私の小学校高学年時代は、男女どちらかの遊び相手に偏るということはあまりなく
男子に外遊びに誘われて気が乗れば行くし、そうじゃなければ女の子と喋っているだけのときもあった。

ただ、感情的な面では「女の子より男の子と遊びたい」「もっと男の子の友達と仲良くなりたい」みたいな気持ちも湧いていた。

出生時の性別に典型的なゲーム・活動に対する拒絶→微妙

これはつまり、FTMだと「プリキュア好きとかありえね~!」「お人形遊びなんてやってらんねえ」みたいなことだと思う。

女子の友達に「お人形遊びしよう~」って言われてイヤな気分になる…とかかな。

私の場合、強烈な拒絶はなかったけど、さっきの項目と同じように「女の子よりは男の子向けの遊びをしたい」という感情はあった。

ゲームでいうと、たまごっちよりシューティングゲームがいい!みたいな感じかな。まあ子どものときはゲーム機で遊んだことほとんどなかったけど。

自分のカラダに対する嫌悪感→かなりあった

小さいころはまったくなかったけど、10歳を過ぎたあたりからけっこうな違和感を覚えていた。

ちょうど男女の身体的変化が顕著になるころで、とくに私は胸が大きくなったり下の毛が生えたりといった成長も早かった。

毛はまあ(毛だけなら)男女共通だけど、おっぱいは「成長とまれ!!」って思ってたなあ。

高学年で気持ちの変化が強くなったのは、このような体の成長を実感していたからだと思う。

自分が望む性の第一次・第二次性徴に対する欲求→少しあった

FTMの場合、「おちんちんが欲しい」という気持ちが主かな。

私も10~12歳のころにはそういう気持ちもあったけど、いまいちイメージができないというか
「強く思っていたか」と言われると微妙な気もする。

男の子=おちんちん
という構造(?)は理解しているので、「おちんちんの有無で男女が決まるなら、男の子になりたいから欲しい」くらいの感情だった。

結果:小児の診断テスト、むっず・・・

8項目をじっくり見てみたけど、ハッキリと当てはまる!と言えるのは半分以下の3項目だった。

なぜかというと、年齢的に遊び・ゲームなどに対する考え方が微妙な時期だから(だと思う)。

もっと言えば、10歳以下の記憶で診断すると、たぶんひとつも当てはまらない。
10歳以降での気持ちの変化が大きかったからこそ、この結果になったんだろう。

自分が性別違和であると感じはじめたあのとき、親に病院へ連れて行ってもらっても
これらの基準を満たさないために「性別違和ではない」「診断を下すのは早い」などと言われたかもしれない。

子どもの体・心の成長もそうだけど、精神面での診断って難しいなあ。としみじみ。

診断時を回想しながら、青年・成人のテストやってみよう

お次は、私が実際に「性別違和である」と診断されたときの心情を基準に、青年・成人の診断項目を見てみる。

医師から診断されたとはいえ、私と同じ内容ならみんなそう、とはならない点だけ注意してほしい。

自分の第一次・第二次性徴を取り除きたい/発達を阻止したい→うん

正式に診断が下りたのは、18歳のころ。

すでに体の成長は止まっていたけれど、おっぱいは小さいながら付いていたし、定期的な生理もあった

とくに生理への嫌悪感はすさまじくて、生理痛とは関係なく自暴自棄になったり落ち込んだりしていた。

「生理 止める方法」とか検索して、食事を抜いたり、わざと栄養バランスの悪い食生活にしたりしたこともあった。(望むようには止まらなかったし、単純に悪影響なのでおすすめしません)

自分がなりたい性別の性徴に対する欲求→性器以外はあった

小児の診断項目と同じように、FTMだったら「おちんちんが欲しい」という欲求。

私は子どものころと変わらず「絶対に欲しい!」とは思っていなかったけど、それよりも
男らしい筋肉質な体とか、口元に蓄えたヒゲがとてつもなくうらやましかった

おちんちんは脱がないと分からないけど、筋肉やヒゲは道を歩いていても見られる。
男女の差が顕著になりやすい要素でもあるので、これは本当に願望として強かった。

「筋トレすればいいじゃん」って思われるだろうけど(診断前もしていたけど)、
男性と女性では筋肉の付き方がなんとなく違う。そういうところに欲求を感じていた。

反対、または何らかの性別になりたい欲求→すんごいあった

私の場合は「男性になりたい」という感情が、診断前後ではとくに強かった。

※注意しておきたいのは、「男性のほうが有利だから」とかそういう理由では基準を満たさないということ。あくまでも自分の性別だけを見たときの欲求であって、社会的なことや有利性は考えない。

物理的なことも、戸籍上の性別とか形式的なことも、あらゆる面で男性になりたいと思っていた。

別の性別として扱われたい欲求→あったあった

男性になりたい=男性として扱われたい
には必ずしもならないだろうけど、私は完全にイコールだった。

男性になって、男性として仕事をして。。。そんな生活にあこがれを持っていた(無事に叶いました)。

別の性別の典型的な感情・反応などを備えているという信念→微妙

たとえば、「男性は女性が好き」というイメージが一般論としてあると思う。

「男はこうあるべきだ」…とまでは言わないけど、そういう感情が自分の中にある、みたいな感じの診断項目かな。

これはちょっと私は微妙なところで、もともと”らしさ”みたいな考え方が好きじゃなかったから
自分の性別違和に対しても「男はこうだ」「女じゃないからこうだ」みたいな感情は持っていない。(持たないようにしていると言ったほうが正しい?)

むしろ、男女どちらかと言われると
女性に典型的な感情・反応を多く備えているんじゃないかと(自分では)思っている。

そういう意味では「信念」はないので、診断項目の答えは「NO」になるかな。

結果:診断項目もだいじだけど

大人になってから診断する場合は、テストの項目だけでなく
社会的・職業的に発生している問題や、精神的な苦痛の度合いなども重要視されるらしい。

そりゃ自分が生まれ持った性別じゃない性だと思っているんだから、生活のあらゆる場面で問題アリアリなんだけど。

ちなみに、診断はあくまでも診断なので、判断が定まったからといってすぐに次(ホルモン注射など)へ進めるわけではない

一般的には、医師2人による診断や診断書の作成、ホルモン注射が可能な病院への受診などなどを経て、本格的な工程へと移る。

独断、ダメ、ゼッタイ。

もし今、性別違和の診断をしたいと考えている人がいたら
診断テストの項目だけで自己判断するのだけはやめていただきたい。

ここで紹介した診断項目や、私の経験談は本物だけど
これらを見るだけで「性別違和かどうか」を断定することはできない

アダルトブログのカテゴリで記事を上げているけど、
性別違和は(おそらく私自身が思っているよりも)デリケートな問題だ。

現状受診が難しい・周囲の理解を得られない・お金がないなど
いろいろ理由はあると思う。

でも焦らず、信頼できる医師に話を聞いてもらいながら
慎重に、自分が望む性・カラダを手に入れて欲しい。

…まじめに締めたのにエッチな広告ばかりでゴメンナサイ

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